読了メモ

ない、なにも、なにもかも

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

和歌・語彙メモ

春雨物語・血かたびら 手柏 奈良山の児の手柏のふた面にかにもかくにもねぢけ人の友(万葉) 山吹 妹に似る草と見しより吾が標し野辺の山吹誰か手折りし(万葉・十九) 夢に六つのけぢめをいふ 正夢・霊夢・思夢・寤夢・喜夢・懼夢(『周礼』春官) 青垣太虚…

風のない、底まで冷え切った夜があった。夢の外で犬が鳴いていた。その朝に、一条大路が荒れはてているとの報があった。ひどく寒い朝だった。ゆけば、霧のなか、月初めに白砂を敷きなおされたはずの路は濡れ、泥と提灯と松明とが綯いまぜになり、車が打ち捨…