風のない、底まで冷え切った夜があった。夢の外で犬が鳴いていた。その朝に、一条大路が荒れはてているとの報があった。ひどく寒い朝だった。ゆけば、霧のなか、月初めに白砂を敷きなおされたはずの路は濡れ、泥と提灯と松明とが綯いまぜになり、車が打ち捨…
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